平成27年12月9日
【県内中小企業の海外ビジネス展開支援について】
わが国において、また、福岡県においても、少子、高齢化で、人口が減少するであろう近い将来に「持続可能な成長と発展」を遂げるためには、福岡県が、そして福岡県内の企業が、10年、20年後の福岡の将来に向かって、日本市場のみならず、世界のマーケットにも、しっかりと目を向け、明確な海外ビジネス戦略を立て、着実に事を進めていくことは、極めて重要である。と私は考えます。
このことは、既に『九州の自立を考える会』での主旨で唄われております『地方が、成長と発展の道筋を「自ら考え、実行する」』という。まさに、その言葉通り、であります。
政府は、日本再興戦略において、平成25年度から、29年度までの5年間で、新たに「1万社の海外展開を実現する」との目標を掲げ、中小企業向けの、海外展開支援体制の強化に取り組んでおります。また、先月発表された「総合的なTPP関連政策大綱」におきましても、これまで、海外展開に踏み切れなかった、地方の中堅・中小企業にとって「オープンな世界に、果敢に踏み出す、大きなチャンスをもたらす」とされており、中小企業に対する、海外展開支援は、ますます重要になっております。
そこで、まず、お尋ね致します。このように、政府の指針と動向について、小川知事は、どうお考えであるのか、お聞かせ願います。
次に、九州経済調査協会がまとめた調査によると、海外に進出している県内企業は、2010年6月末の、427社から、昨年の2014年12月末は、471社と、4年間で、44社増え、増加の傾向にあります。しかしながら、海外展開には、大きなビジネスチャンスがある一方で、国内でのビジネスに比べ、リスクや課題も多く、特に、中小企業においては、海外展開は、決して、容易では、ないようであります。
国内取引が中心の、多くの中小企業の取引先は、同じ文化、同じ言語を共有する「商取引」を行うため、契約書の作成や、予防法務に、あまりコストをかける必要がありません。しかし、多くの中小企業が進出を検討している、東南アジア諸国では、特有の法制度が、数多く存在することに加え「法制度と実際の運用が、かけ離れていることがある」と聞き及んでおります。
また、そもそも、進出する国の、法制度や慣習などの知識や、設立準備が十分でない中小企業が、少なからずある」との話もあります。
そうした対応機関として、本県では、4年前、平成24年1月に福岡アジアビジネスセンター、通称「福岡ABC」を設置し、中小企業の海外展開を支援していますが、海外展開に関する、様々なリスク軽減の観点から、どのような支援施策を講じておられるのか、お尋ねを致します。
私の地元中間市でも、海外ビジネス展開を検討している、企業があります。しかし「どこに相談してよいのか、よくわからない」といった声を耳にすることも事実です。本県の海外展開支援施策に関する周知活動は、まだまだ「不十分である」と言わざるを得ません。そこで、福岡ABCの活動をはじめ、県の施策を、今後どのように、周知していくのか、お尋ねを致します。
さて、実際に進出した企業は、日本と異なる法規制や、商慣習、現地人材の確保・育成、人件費の上昇、為替変動など、中小企業は、様々な課題やリスクに直面します。これらの課題やリスクに対応し、現地進出企業が、円滑に事業を継続・発展させていくためには「海外進出時」の支援と同様に「現地進出後」の支援についても、十分なフォローが必要であります。
現在、本県では、香港、上海、バンコク、サンフランシスコの4ヶ所に、海外事務所を設置し、県内企業の海外ビジネス展開の、支援業務も行っていますが、その海外事務所では、どのような支援を行っているのか。そして、今後、更なる支援を、どのように考えておられるのか、お尋ねを致します。
最後に、本県、経済の、成長発展を確かなものにするためにも、今後さらに、県内中小企業の海外ビジネス展開を、強力に支援していく必要があると考えます。海外ビジネスに、夢と希望を持っている「県内中小企業」が、1社でも多く、安心して、海外でチャレンジし、1社でも多く、海外で成功が出来るよう、県として、しっかりとした支援体制の確立に取り組んで頂きますことを、強く要望致しまして、私の一般質問を終わります。
2015年12月09日 22:35