令和3年9月議会【一般質問】
令和3年9月22日(水)
本日福岡県議会本会議場にて、服部県知事に『コロナ禍での高齢者の介護予防と社会参加について』の一般質問をしました。中間市の高齢者の方々や中間市老人クラブ連合会の皆様からのご要望やご意見を受け、コロナ禍での高齢者の方々の「通いの場」「憩いの場」「健康づくりの場」を決して失うことのないように、現状や今後の取組み等について質問しました。質問内容は以下の通りです。
【片岡】
現在4回目の緊急事態宣言が発令され、不要不急の 外出自粛の要請が長期間にわたって続く中、高齢者の方々は、外出を控えたり、運動や趣味の集まりが出来なくなったりと、身体的、社会的活動が大幅に減っているところであります。高齢者の方が、自宅で過ごす時間が長くなり、外出や運動の機会が少なくなると、筋力が落ちて動けなくなるといった、いわゆる「フレイル」を招きます。「フレイル」は、健康な状態から、要介護へ移行する中間の段階にあり、身体機能の低下だけではなく、気持ちが落ち込み、鬱病などの精神面や認知機能にも影響を及ぼすとされています。
特に、認知機能については、高齢者の閉じこもり状態が長期化することで、健康な高齢者が認知症の一歩手前である「MCI」いわゆる「軽度認知障害」へ進行し、さらには「認知症」へと進展していくことが懸念されています。また、認知症に限らず、多くの専門家は「コロナ禍においては、高齢者が、外出して体を動かしたり、人と触れ合ったりする機会が減ることで『コロナフレイル』が、今後大きな問題になるおそれがある」と警鐘を鳴らしています。『コロナ フレイル』を予防していくためには、日常的な運動を行い・社会とのつながりを持つこと。そして、介護予防に資する住民主体の「通いの場がある」ことが、非常に大切であることは、言うまでもありません。今後 先の見えない 新型コロナウイルス感染症のことを考えると、第6波への備えとして、外出自粛下でも、自宅で、介護予防の取組ができるなどの対策。例えば、オンライン等を活用して、活動継続を図ることや、感染がある程度、収まった後に、速やかに、円滑な活動を再開できるよう、事前に十分な準備を整えておくことが、重要であると考えます。そこで、知事にお伺いします。まず、コロナ禍での 高齢者の介護予防に資する「通いの場」についての現状をお尋ねします。その上で、コロナ禍においても高齢者が、介護予防に取り組めるよう、県は今後どのような対策を講じていかれるのか、お尋ね致します。次に、コロナ禍での「老人クラブ」の活動についてお伺いします。昨今の老人クラブの会員数は、減少傾向にありますが、老人クラブは、高齢者の方々が、自らの健康づくりや生きがいづくりに取り組むだけでなく、地域の美化や、独り暮らしの方の自宅訪問などによって、地域を支え、助け合う、様々な活動を展開されている」と承知しております。しかし、新型コロナウイルスの感染の 収束が見通せない中、こうした老人クラブの活動は、縮小や休止を、余儀なくされるなど、大きな影響を受けています。老人クラブの会長や、役員の方からは「現在は、緊急事態宣言発令中でり、老人クラブも、無理に活動を継続したり、再開をしたりするということは困難であり。また、緊急事態宣言が解除されたとしても、活動を再開するための、明確なガイドラインや、適切な判断基準がないと、どういう状況なら再開ができるのか。その際、必要とされる、高齢者独自の感染対策は、どのようなものがあるのか、事前に、参加者への周知を図っておかなくては、感染が不安で、なかなか、活動再開の判断を下すことができない」という声もお聞きします。県は、こうした状況を鑑み、コロナ禍にあっても、高齢者の方、お一人、お一人が、積極的に、健康づくりや、地域活動に取り組むことができるよう「適切なアドバイス」と「きめ細かな支援」を行うことも、必要であるのではないかと考えます。そこで、知事にお伺いします。コロナ禍における 老人クラブの活動について、活動の継続や再開の促進に向けて、県は、どのように支援していかれるのか、知事の見解をお伺い致します。
【服部知事】
コロナ禍での「通いの場」の現状と今後の対策についてのお尋ねです。高齢者の方々が地域の公民館等の身近な場所で体操やレクリエーション活動を行う「通いの場」は、自治会などの住民主体で運営されております。緊急事態宣言の期間中である現在は、公民館等の公共施設が閉鎖されており「通いの場」を開催することは難しい状況にあります。こうした状況において、高齢者の方々は、自宅で過ごす時間が長くなり、外出や運動の機会が少なくなるため、運動機能や認知機能が衰えた状態、いわゆるフレイルを招くことが懸念されます。また「通いの場」が再開された後も、高齢者の方々が感染を恐れ「通いの場」への参加をためらうことで、さらなるフレイルにつながることも考えられます。このため、今後「通いの場」が再開される前に、感染防止対策の具体例や留意点をまとめた県作成のチラシを市町村に改めて配布し、周知を図ってまいります。また「通いの場」を屋外で開催している事例などの情報提供を行い、コロナ禍でも工夫して「通いの場」が再開できるよう市町村を促してまいります。
次に、コロナ禍における老人クラブ活動の支援についてであります。コロナ禍における老人クラブ活動については、現在、緊急事態宣言下であり、グラウンドゴルフ大会や体操教室の開催中止などにより十分な活動ができていない状況にあります。老人クラブの会員の方々は、感染すると重症化するリスクの高い高齢者のため、特に、感染防止対策を徹底し老人クラブ活動を行う必要があります。「全国老人クラブ連合会」においては、新型コロナの感染防止に配慮した老人クラブ活動のポイントをまとめたパンフレットを作成しており、また「県老人クラブ連合会」においては、コロナ禍における老人クラブ活動の留意点等のチラシを作成しています。これらのパンフレットやチラシについては、昨年度「県老人クラブ連合会」から各市町村の老人クラブ連合会へ配布され、県下の老人クラブに周知されています。今後は、老人クラブ活動の再開に向けて、県内の感染状況などの新型コロナに関する情報を「県老人クラブ連合会」を通じて各市町村の老人クラブ連合会へ提供してまいります。また、パンフレットやチラシについて、改めて周知を行っていただくよう「県老人クラブ連合会」に依頼することとしており、これらにより、それぞれの地域での老人クラブ活動が、コロナ禍においても感染防止対策に十分留意され実施されるよう努めてまいります。